金沢に拠点を置きつつ、大手広告会社でエリアマネージャーとして九州・四国・北海道を統括。 現在は金沢の企業にプロボノで関わっている、林勇人(通称りんりん)さんにお話を伺いました。

りんりんさんは、もともと金沢出身ですよね。今も住んでいるのは金沢ですか?

会社での担当エリアが九州、四国、北海道と幅広いので単身赴任をしていますが、家族と暮らす家は金沢にありますね。住民票も金沢です。

しっかり金沢市民として生活しているんですね!(笑)
確か一番最初のキャリアは、鹿児島から始めたんでしたよね。

はい、大学が鹿児島だったので。その時にお世話になった鹿児島にもっといたいという思いがあって、就職も鹿児島でしました。

新卒で就職したのは、大手広告会社の鹿児島事業所CV社員(3年間の期間が決まっている契約社員)。住宅フリーペーパー部門の営業です。そこで2年ちょっと働いていたところ、その部門が廃止になり、鹿児島事業所がなくなることになりまして(笑)。

東京に異動するか、ちょっと早いけど卒業するかの二択となり、金沢に帰ることにしました。

妻は小学校からの幼馴染で金沢の人間なんです。当時はまだ付き合っている状態でしたが、彼女には結婚したら自分が育った町内で暮らしたいという明確な希望がありました。

それもあって、「金沢に帰るタイミングなのかな~」と。

素朴な疑問ですが、「東京に行ってみたい!」とは思わなかったんですか?

う~ん、自分の性格が基本的に出不精なんですよね。「東京に行きたい」とは考えたことがあまりなかった。自分には地方、というか田舎が合っていると思います。

そうなんですね!
金沢に帰ってきてからはどんな仕事をしていたんですか?

金沢に本社のある不動産会社に転職しました。この会社には1年9ヵ月いたんですが、その期間が今までの人生の中で一番バリバリ働きましたね。仕事するのがめちゃくちゃ楽しい時期でした。

一年目から店長を任され、売れれば売れるだけ事務処理なんかも増えるので忙しくなる。朝6時から夜中の3時まで働くことが日常化していました。今となっては問題になりそうな働き方ですが、それが楽しかったんですよ(笑)。

でも結果が出れば出るだけ、「この仕事での成長はし尽くしたのではないか」という気がしてきて。時間をかければ結果が出る、ということが感覚でわかったというか。

鹿児島で働いていた広告会社のことを思い出して、「今の自分ではあの人には敵わない」「あの人みたいになりたい!」と思える人が周りにたくさんいた刺激の多い環境で、もう一度働きたいと思うようになりました。

それで、もう一度その会社に転職したんですね。

はい。当時金沢支社でちょうど社員の募集があって、それがたまたまブライダル情報誌の部門だったんです。今も働いているところですね。

2013年に入社し営業から始めて、2年目にチームリーダーに。2019年からはマネージャーです。

すごく充実していそうですが、そんな中でこみんぐるにプロボノで関わることを決めた理由は何だったんですか?

2020年にコロナの流行で、それまでとは働き方が大きく変わりました。リモートワークが主流になって、移動などに使っていた時間が空いて、ぽっかりと隙間ができたんです。

今の会社は以前から申請すれば副業可だったので、これを機にやってみようと思い立ちました。

もともと俊伍(注:こみんぐるの取締役で、代表林佳奈の夫)とも小学校からの幼馴染で、大人になるにつれみんなで集まると仕事の話もするようになっていて。

俊伍は愛知で働いていた頃から、ずっと「いつか金沢に帰って起業する!何で起業するかは決めてないけど、起業したら勇人はうちで営業をやってくれ」と言ってました(笑)。

そうしているうちに本当に金沢に帰ってきて起業して。しかも代表は金沢出身じゃない奥さんで、もともと金沢の人じゃないのにすごく真剣に金沢のためになることを考えて頑張っている。これは、金沢人の自分もやらなくてどうする!と思ったのが大きいです。

こみんぐるでは、2020年6月から社員のいろいろな課題の壁打ち相手になってもらいながらチームビルディングの部分を担ってくれていますよね。プロボノでその分野をやりたいと思った経緯を教えてもらえますか?

鹿児島にいたときに2年ほど、少年野球のコーチをしたことがあるんです。その時にチームがすごく強くなったのを経験して、人の成長に関わることって楽しい!と感じて。

また、今の会社でエリアマネージャーの仕事をする中でもチームビルディングや組織づくりのそういった部分はすごく大切なんですが、僕が「上司だから」ある程度メンバーが話を聞いてくれる、という側面もあると思うんですよ。だから、損得勘定の全くないフラットな関係性の中で、どれだけ話ができるか、という力も本当は磨く必要がある。

それに加え、コロナのことがあって今はメンバーともオンラインでの関わりが主になっていて。

今までのような組織づくりの方法が当たり前には通用しない時代が来て、自分のそのスキルをもっと幅広く成長させたいと思ったんです。不謹慎な言い方かもしれませんが、すべてはコロナから始まりました。

りんりんさんにとって、コロナ流行での環境変化はすごく大きかったんですね!
こみんぐるにプロボノとして関わってみて、どうですか?

普段の仕事とは業種も違うし、規模が違う分スピード感も早いのでとても刺激になっています。中小企業ならではの良さがすごくありますね。いろいろな仕事に関われたり、自分が今の会社でやっていることが、組織規模や自分の肩書のような後ろ盾がなくても通用するのか試せたり。

僕にとって、「成長」とか「刺激」がすごく重要で。今の会社にももちろん刺激はあるんですが、マネージャーにまでなるとあんまり周りからあれこれ言ってもらえないんです(笑)。プロボノをする前は、このままだとどんどん固まってきてしまうんじゃないか、そうなってはいけない、という危機感がありました。

自分で起業、というのも少しだけ考えたことがありますが、僕は俊伍のように一つのビジョンを定めて突き進む!というよりは、いろいろなことを「あれどうなった、これどうなった」って追いかけていくのが得意なタイプ。多動というか…金沢弁で「ちゃべ」と言いますけど(笑)。だとすると、プロボノや複業という形でいろいろな人をサポートしていくような形が性に合っているのかなと思って。

それから、普段自分のやっていることが別の場でも通用するかも、という自信がついたのも収穫ですね。

壁打ち相手になってもらって、みんなとても助かっていますよ!
ちなみに今後のビジョンややりたいことは、どんなふうにイメージしているんですか?

今の会社でのマネジメントやこみんぐるでのプロボノを通して、1to1での課題解決ならどんな局面でもある程度できるようになってきたな、と感じます。だから今後は、1to themとかもう少し大きな粒感の課題解決もできるようになりたい。そうなってくると、ロジカルだけではないんですよね、人を扱う場所って。そこをもう少し科学できるようになりたいかな。

それこそ、今の会社の中でも人事とか、もっと中枢に近い部分を知ることができればいいな、とふわっと思っていたりもします。

そしていずれは金沢にきちんと拠点を置いて、「金沢の人事部長」になりたい。そうしたらworkitのビジョンとも重なりますね。

そうですね。ぜひ一緒にビジョンを実現していきましょう!

編集後記

大きな組織で働きながら、自分のスキルをさらに磨くためにプロボノという関わり方を選択している林さん。

プロボノ先を選んだ理由の一つが「昔からの友人の会社」という、人間関係が密なところも地方で働く良さかもしれません。

本業とは業種も規模感も全く異なる会社でこそ得られるものがあるという点は、地方の中小企業からすると目から鱗でした!

北川春実

株式会社こみんぐるスタッフ。 石川県白山市出身。大学卒業後、地元にUターン就職し公立小学校教員として2年間勤務。その後株式会社リクルートキャリアに転職し、北陸の新卒採用を企業側から支援する業務に4年弱従事する。 退職後マルタやカナダでの海外生活を経て、2019年にこみんぐるに入社。